【元陸自が暴露】自衛隊の体力検定とは?訓練メニューを元隊員が公開!

自衛隊時代の話

自衛隊の体力検定がどんなものか、知っている人は少ないと思う。今回は、元陸上自衛官の私が実際に経験した内容を書く。思い出せない部分もあるがご了承願う。

教育訓練期間の体力検定

自衛隊に入隊してまず始まるのが教育訓練期間である。この期間中は月に1回、体力検定が実施されていた。

種目はこんな感じである。

  • 100m走
  • 1500m走
  • ソフトボール投げ
  • 走り幅跳び

一般的な体力測定に近い内容だが、これが毎月あるのがきつかった。

一般中隊配属後の体力検定

一般中隊に配属されてからは、年に1回の体力検定に変わる。種目は腕立て伏せ、腹筋、3000m走。

それぞれ各級があり級の基準は7級から1級までで、級が上がるほど基準が厳しくなる。ちなみに3級以上になると、レンジャー訓練や空挺部隊への配属希望が出せるなど、特別な訓練への道が開けてくる。実はレンジャーや空挺部隊は体力オバケだらけなので、よっぽどの体力自慢しか集まらない!(レンジャー・空挺出身の方、すいません)でも事実だ。

正直に告白すると、私は足が遅くて4〜5級をウロウロしていた。「元自衛官=超体力自慢」というイメージがあるかもしれないが、隊員にも得意不得意がある。ムリなものはムリ!腕立てや腹筋は得意でも、長距離走が苦手な隊員は普通にいるのだ。

検定前になると、みんながナゼか急に走り出す

体力検定は年に1回。ということは、裏を返せば残りの364日は自由である。

そして人間というのは正直なもので、検定が近づいてくると、駐屯地の中を走る隊員が急に増える。普段まったく走っていない人間が、一週間前から慌てて走り出すのだ。テスト前の勉強と一緒だ。

もちろん、そんな付け焼き刃で結果が変わるはずもない。だいたい前年と同じ級に落ち着く。それでも走る。何もせずに当日を迎えるのは、さすがに気が引けるからだろう。

私はというと、もともと夜の自由時間に走る「鍛える派」だった。駐屯地を一周して、そこから腹筋、背筋、スクワット。特別なことは何もしていないが、これを続けていたおかげで、検定前に慌てることだけはなかった。

検定前だけ走るので、いざ検定となるときには筋肉痛でまえより成績が落ちたなど笑えない者もいた。

やる人は普段からやる。やらない人は直前だけやる。この差は数字にはっきり出る。組織にいると、こういうことがよく見える。

一番の壁は3000m走だった

正直に告白すると、私の弱点は完全に長距離だった。

腕立てと腹筋は、やればやっただけ数が伸びる。だが3000mだけはどうにもならない。走り込んでも、私より速い人間はもっと速いのである。

同じ中隊に、持久走の選手みたいな走り方をする人間が何人かいた。あれは才能である。同じ人間とは思えなかった。

だから私はずっと4級と5級のあたりをウロウロしていた。3級以上を取れば、レンジャーや空挺への道が開ける。だが正直、あの人たちは体力オバケの集まりなので、私が行ったところで潰れていただろう。身の程は自分が一番よく知っている。

特に空挺隊員は3Mぐらいのところから飛び降りてもピンピンどころかヘラヘラしているような人間になりたくなかったのだw

一般の人が真似するなら、ここだけでいい

さて、ここまで読んで「自衛隊の体力検定、やってみようか」と思う人はまずいないだろう。3000mを走れと言われても困る。

だが、この検定の考え方には、一般の人にも使えるところがある。

① 種目を3つに絞る

体力検定の種目は、腕立て・腹筋・3000m走の3つだけだ。上半身、体幹、心肺。この3つを押さえれば、体力はだいたい測れるという設計になっている。自分の体力を把握したいなら、この3つを一度やってみるのが早い。ジムも道具もいらない。今の私はしないが・・・

② 年に1回、数字で測る

毎日測る必要はない。年に1回、同じ種目で数字を出す。それだけで、去年より落ちたか維持できたかが分かる。健康診断の数値と同じで、大事なのは点数そのものより「去年と比べてどうか」である。今の私は数字で図るのは血圧計と体重計だけである

③ 級のような目安を作る

自衛隊の検定に7級から1級まであったのは、自分が今どのへんにいるかが一目で分かるからだ。目標があると人は動く。一般の人なら「腕立て◯回できたら合格」くらいの、ゆるい基準を自分で決めればいい。私は今でも、この考え方で自分の体を測っている。タマニだが!

自衛隊の体力検定は、一般の体力測定とは違う実戦的な体力を測るものだった。だが、その考え方自体は特別なものではない。種目を3つに絞る、年に1回同じ種目で数字を出す、自分なりの合格ラインを決めておく。これだけである。

60を過ぎた今、私が体を動かす仕事を続けられているのは、若い頃に無理をしたからではなく、自分の体を数字で把握する癖がついたからだと思っている。足が遅くて4〜5級をウロウロしていた男が言うのだから、間違いない。

今日の一句

  遅いから 長距離だけは ご勘弁

                       ではまた!

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