【元自衛官が語る】自衛隊で取れる免許・資格と退職金制度|衣食住タダで資格も取れる美味しさ

自衛隊時代の話

意外と知られていない「資格の宝庫」


自衛隊は体を鍛えるイメージが強いが、実はいろんな免許・資格が取れる。しかもタダで。取得できる主な免許・資格はこんな感じである。

  • 車両系:大型免許、大型特殊免許、牽引免許
  • 重機・特殊系:クレーン免許、重機関係の免許
  • その他:調理師免許、消防関係の資格

民間で大型免許やクレーン免許を取ろうとしたら、数十万円はかかる。それが自衛隊なら業務の一環として取得できるのだ。実際、免許を取るために入隊してくる人もいた。体を鍛えたいわけでもなく、目的は資格取得。それもひとつの賢い選択だと思う。

任期制と退職金制度

自衛隊の士(一般隊員)には任期制がある。1期が2年、2期が4年(1期+2年)、3期が6年(2期+2年)。2年ごとに区切りがあって、それぞれに退職金が出る。私たちの年代だと、だいたいこのくらいだったように思う。

  • 1期(2年):約40万円
  • 2期(4年):約60万円
  • 3期(6年):約80万円

私は6年間(3期)勤務して、退職金は約80万円くらいもらった。

「衣食住タダ+退職金+資格」の破壊力

冷静に考えてみてほしい。衣食住は全部タダ。給料は丸々貯金できる。免許・資格もタダで取れる。退職金も出る。しかも当時は自衛隊関係の定期預金の金利がすごく良くて、預けておくだけでかなりお金が貯まった。年利が何%だったかは忘れたけど・・・4年間で退職金60万円。しかも生活費ゼロで給料は貯まる一方そこにボーナスまで!そこに免許・資格のおまけ付き。なかなか美味しい環境だったと思う。

「退職金目当てで入ってくる子もいた」と書いたが、私はそれを否定しない。動機は何でもいいのだ。入ってしまえば体は鍛えられるし、資格は取れるし、お金は貯まる。目的を持って入隊する人は、むしろ賢いと思う。くすぶっていた人も一発逆転するかも。

私は「取れるものは片っ端から」取った

実際に私が在隊中に取ったのは、大型自動車免許、けん引免許、移動式クレーン、玉掛け、危険物。とにかく、取れると言われたものは片っ端から取った。時間さえ作れば挑戦させてもらえる環境だったからだ。

当時は「タダで取れるなら取っとこう」くらいの軽い気持ちだった。まさかこれが、後の人生を丸ごと支えることになるとは思っていなかった。

その免許が、除隊後の私を食わせてくれた

自衛隊を辞めたのは26歳。手に職と呼べるものは何もなかった。学歴もない。あるのは在隊中に取った免許だけである。

その免許だけを持って、建設会社の門を叩いた。天井クレーンの運転手として採用され、そこからクレーン、解体、重機と現場を渡り歩き、今はゴミ収集車を運転している。40年、あの免許で食ってきたということになる。

もし在隊中に「めんどくさい」と言って取らなかったら、私の人生はまったく違うものになっていただろう。良かったかどうかは分からんが、少なくとも今の私はいない。詳しい話は[建設会社に入った時の記事]に書いた。

ただし、いいことばかりではない

正直なことも書いておく。取れる資格は、配属された職種によって変わる。私は車両班だったから車両系の免許が取れたが、別の班なら別の資格になる。希望すれば何でも取れる、という話ではない。

それに、資格を取るのは業務の合間である。訓練も普通にある中で時間を作らないといけない。「タダで楽に取れる」わけではないのだ。

ただし、大きな駐屯地には敷地内に運転コースがあり、そこで教習所さながらの教習が行われる。とはいえ訓練の一環なので、教え方は教習所よりもかなりハードで辛いものだった。大型だけでなく、けん引免許の実地までそこで行える。

要はやる気次第ということだ。日々頑張って過ごしていると、上から「教習の枠が1つ余っているので行くか?」と声がかかる。それは、認められた証拠でもあると思う。

お金の話を、もう少し正直に

おもちゃのお金

退職金と貯金の話を書いたが、金額については注意してほしいことがある。私の在隊は1980年代の話である。退職金の額も、定期預金の金利も、今とは事情が違うはずだ。当時は預けておくだけで増えていく時代だった。今の若い人が同じ計算をしたら、たぶん合わない。

だから金額そのものより、構造の方を見てほしい。衣食住がかからないから給料とボーナスがそのまま残る。資格の費用もかからない。期を終えれば退職金も出る。この「出ていくお金が少ない」という構造は、今も変わっていないはずだ。若いうちに元手を作りたい人にとって、これは相当に強い。しかし男だらけの世界・厳しい上下関係・塀の中という環境が条件だが、慣れてしまえばナンテことはない。私なんかが出来たので誰でも出来るはずである!特に何かの目標がある人は楽勝でしょう!

私の同期には、訓練が終わってからずっと勉強を続けて、有名大学に入った人もいる。自分に合うと思うのであれば2期が終わった時点で残って幹部を目指すのも悪くない選択なのだとおもう。自衛隊は体力と根性だけの世界ではない。使い方次第で、次の人生への踏み台にできる場所であるということを強く言いたい。

 今日の一句

   全部タダ オマケに取れる 資格かな

                               ではまた!

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