人生後半戦から筋トレを始めたい、という相談をたまに受ける。何からやればいいのか分からない、年齢的にハードな運動は無理かもしれない、という悩みである。
今回はそれに答える形で、自衛隊時代に叩き込まれた体づくりの話を書く。ゴリゴリのマッチョを目指す話ではない。いざという時に、咄嗟に動ける体を作る話である。
ストレッチだけは、異常に長かった
自衛隊時代はハードな訓練が多かった。その分、ストレッチにかける時間も異常に長かった。
2人1組でお互いを引っ張り合うペアストレッチ、ラジオ体操をさらに特殊にした「自衛隊式体操」。一般の生活ではまず見かけないメニューが並んでいて、毎回心の中で「どんだけストレッチするんや!」と思っていた。
だが、これが効いた。
翌日の筋肉疲労が明らかに軽くなる。体力の回復も段違いに早い。科学的な根拠までは分からない。だがあれだけの時間をストレッチに投資して、裏切られたことは一度もなかった。
ダンベルより、ロープを選んだ

自衛隊にはダンベルやバーベルといった筋トレ器具も揃っていた。だが私はほとんど使わなかった。
理由は単純である。筋肉を大きくしたかったわけではなく、いざという時に咄嗟に動ける体が欲しかっただけだからだ。だから道具に頼るより、自分の体重を使う自重トレーニングを選んだ。
実際、筋肉を大きくしても動ける人は動けるし俊敏な人はたくさんいるのだが、あくまでも見た目そうであると言うだけなのだが・・・
その中でも好んでしていたのがロープ登りである。
約3メートルの高さから垂れた太いロープを、手だけで昇り降りする。これが本当にきつい。だが一つのトレーニングで、これだけの効果がある。
- 全身の筋力アップ(ブルース・リーのような背筋がつく!古いかw)
- 握力の向上 (握力を鍛える器具を壊せる)
- スタミナの強化 (ナゼか分からないがスタミナがつく)
欠点があるとすれば、下半身がまったく鍛えられないことだった。腕と体幹はパンパンになるのに、足はそのままである。
下半身は、この2つで補った
そこで下半身は別のメニューで補っていた。
**ひとつは、階段の昇り降り。**タイムを計りながらやると強度が上がって、有酸素運動としても効く。
**もうひとつは、壁スクワット。**壁を背にすると同じ姿勢をキープしたまま上下運動ができて、体重がしっかり下半身にかかる。普通のスクワットより、地味だが効いている実感があった。あとジャンピングスクワットは生まれたての子羊の足になるまでやっていた。
今、人生後半戦から始めるなら
ここからが本題である。年を重ねても、ある程度の筋力は絶対に必要だ。私がおすすめするのは、これ2つだけである。
① 懸垂(鉄棒)
上半身の強化に一番効く。ただし、いきなり足を離しての懸垂は無理がある。こういう順番で進めてほしい。
- 腰の高さの鉄棒で、足をつけたまま連続10回できるようになる
- 少し高い鉄棒に挑戦する
- 最終的には、自分の背丈より高い鉄棒で懸垂する
② スクワット
下半身はこれ一択でいい。最初は膝が少し曲がる程度の浅いスクワットから。体と相談しながら、徐々に深くしていけばいい。背筋はできるだけ伸ばす。
一番大事なのは、これだけ
どちらのトレーニングにも共通する、最重要のポイントがある。
最初から頑張りすぎないこと。(何事にもホドホドとボチボチがよい)
人生後半戦からの筋トレは、無理をした瞬間に終わる。若い頃のようにはいかない。焦らずコツコツ続けることが、結局は一番の近道である。
正直に言うと、私自身、あの頃と同じようにロープを登れと言われたら三秒で音を上げるしやりたくない!だが懸垂とスクワットくらいなら、今でも続けている。続けられる強度でやる、それだけで十分だと思っている。
今、私の筋トレはゴミ収集そのものになった
ここまで自衛隊時代の話を書いてきたが、正直に言うと、今の私は懸垂もスクワットも、特別なメニューとしてはたまにするぐらいで本格的にはやっていない。
理由は単純で、今の仕事そのものが筋トレになっているからだ。
ゴミ袋を持ち上げる、収集車まで走る、また持ち上げる。これを一日中繰り返す。懸垂バーの前に立つ気力なんて、正直あまり残っていない。だが体は毎日ちゃんと動いている。
これは開き直りでもごまかしでもない。現場で体を動かす仕事をしている人間は、それ自体が立派なトレーニングだということを言いたいのだ。ジムに通う時間がなくても、日々の仕事の中で体をきちんと使えていれば、それでいい。
問題は、デスクワークの人間には、この「仕事がトレーニング」という手が使えないことである。だからこそ、懸垂とスクワットのような、短時間で全身に効く種目を意識してやる必要がある。
40年、体だけが元手だった
自衛隊、建設現場、解体、そして今のゴミ収集。振り返ってみると、私はずっと自分の体を道具にして働いてきた。
学歴もない。資格は自衛隊時代に取った免許くらいのものだ。それでも40年、食いっぱぐれずにこられたのは、体が動いたからである。
だから私にとって筋トレというのは、趣味でも自己満足でもない。明日も働くための、一種の設備投資である。工場が機械のメンテナンスを怠らないのと同じ理屈だ。体が壊れたら、その日から収入が止まる。
年を取ってから始める筋トレは、見栄えのためのものではない。あと何年、自分の足で立って働けるかを伸ばすための、地味だが一番確実な投資だと思っている。
人は知らんけど、自分はそう思っている。
今日の一句
日々鍛え 老いは突然 やってくる
ではまた!
※この記事は個人の体験にもとづくもので、医学的なアドバイスではありません。トレーニングの内容は年齢・体調によって適切な負荷が異なりますので、不安のある方は医師にご相談ください。


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